齊藤京子 INTERVIEW
——MTV Unpluggedが終わってから少し時間が経ちましたが、今の心境は?
ずっと余韻に浸っています。10年くらい前、ボーカルスクールに通い始めたときに、『歌で人を泣かせられる歌手になりたい』って実は言っていたんですけど、ミーグリ(オンラインでの個別トーク会)で『泣きました』って伝えてくれるファンの方がたくさんいらっしゃって、この夢も叶ったんだと感じました。メンバーからも『きょんこの夢をずっと知ってたから、感極まってものすごい泣いちゃった』とか、『きょんこが途中で歌はもう無理かなとか言ってた時期も見てきたから、白いペンライトに囲まれている会場で歌っている姿を見て、涙が止まらなかった』とか言ってくれて、うれしかったです。
——ちょっと遡ってお聞きしたいんですが、MTV Unpluggedに出演するって聞いた時のことは覚えていますか?
スタッフさんから『MTV Unpluggedの出演が決まったよ』って言われて、『えっ!』ってなりました。歴代の出演者の方も凄いアーティストさんばかりなので『本当にいいんですか?』って気持ちと、私の大好きな緑黄色社会さんも出演されていて、その次に出させて頂けることがうれしすぎて、飛び跳ねるくらい喜びました。また出演させて頂くにあたって、宇多田ヒカルさんのMTV Unpluggedを見させて頂いたんですけど、当時のメイキング映像を見たら、宇多田さんのMTV Unpluggedにかける思いがすごくて、本番までにもっとレッスンして頑張らなきゃダメだなと思いましたね。
——歌に向き合うきっかけとして、2021年に出演した「MTV LIVE MATCH」で緑黄色社会さんのステージに参加したことが大きいと思うのですが、その時のことを改めて振り返ってみていかがですか?
STAY HOME期間中にプレイリストを作るMTVさんの企画で「想い人」を選曲したことがきっかけだったんですけど、そこからまさか緑黄色社会さんと一緒のステージに立つことになるなんて思ってもいませんでした。本当に夢みたいな空間で、終わった後にメッチャ泣きましたね。その日はアイドルとか関係なく、魂込めて全力の自分を出そうと思っていたんですけど、メンバーやスタッフさんからもすごく響いたと言ってもらえて、改めて歌を頑張ろうと思った日でした。
——MTV Unpluggedでは緑黄色社会さんの「幸せ」をカバーされていました。選曲の理由や、緑黄色社会さんに対しての想いを教えてください。
正直、最初は「想い人」を入れようと思っていました。ただ「想い人」は緑黄色社会さんの演奏の中で長屋さんと一緒に歌唱したからこそ良いものになったと思っていて、それを一人でやるには前回のパフォーマンスを上回ることはできないなと思ったんです。それで「想い人」以外の曲で考えたときに、緑黄色社会さんのMTV Unpluggedを会場で見させて頂いたんですが、メロディ・歌詞・長屋さんの歌声、そして会場の雰囲気も相まって「幸せ」で号泣してしまったんです。それから何度も聞いて、改めて『良い曲だな、私も歌いたいな、挑戦したいな』と思って、セットリストに入れさせて頂きました。私なんかが言うのもおこがましいんですけど、緑黄色社会さんの歌は感情を込めやすく、伝えたい気持ちをしっかりと伝えられると思っていて、ファンの方にも『「幸せ」で泣きました』と言われることが多かったです。あと、本番前に緑黄色社会さんのMTV Unpluggedを改めて映像で見たんですけど、長屋さんの歌唱力が語彙力なくなるくらいにすごすぎて、本当にすごいものを見ると笑っちゃうんだなと思いましたね。緑黄色社会さんに対しては尊敬の意でしかないです。
——今回のセットリストはすべてご本人の選曲ということで、「幸せ」以外の楽曲に関しても、1曲ずつ選曲の理由などを聞かせて頂けますか?
「孤独な瞬間」
日向坂46になって初めてのソロ曲で大切な曲です。実は1曲目をどうするか中々決まらなかったんです。最初はカバー曲から始めようと考えていたんですけど、結果としてこの曲を1曲目にして本当に良かったです。初の有観客ソロコンサートをソロ曲で始めるってことで、一番良いセットリストの流れになったんじゃないかなと思っています。
「歩いて帰ろう」
斉藤和義さんの曲としてもちろん知っていたんですけど、高校時代に絢香さんがカバーされているのを聞いて、女性が歌っているバージョンも凄く素敵だなと思ったんです。地声からファルセットに切り替えるのが個人的に好きなんですけど、それが全面的に出せる曲でもあったので、うまくできたらカッコいいだろうなと思って選曲しました。
「ハルノヒ」
あいみょんさんの曲は、ファンの方からも歌ってほしいっていう意見を以前から頂いていて、今回のセットリストに入れたいと思っていました。その中でも「ハルノヒ」は歌っていて特に気持ちいい曲だったんですね。実は去年の「MTV LIVE SESSIONS」の時も候補に挙げていた曲でもあったので、ようやくファンの皆さんの前で披露することができました。
「初恋」
セットリストに男性シンガーの曲、そして80年代の曲がないなと思って考えたときに、「初恋」が素敵だなって思ったんです。曲は以前から知っていたんですけど、歌ったことはなくて、男性の曲なので女性が歌ったらどうなるんだろうと思ったんですけど、Ms.OOJAさんがカバーされているのを聞いて、『絶対に歌いたい!』って思うようになって、セットリストに入れさせて頂きました。
「ひだまりの詩」
この曲は昔から大好きな曲でした。音楽番組で昔のヒット曲の紹介で流れていたことで出会ったんですけど、カラオケでは必ず歌っていました。この曲は同世代の方はそんなに知らないかなと思って、『こんな良い曲があるんだよ』と伝えたい気持ちもあって選曲しました。ラジオで共演している(モデルの)鈴木美羽ちゃんが、『「ひだまりの詩」を聞いて泣きました』って言ってくれて、まさに狙い通りといいますか、すごくうれしかったです。
「僕なんか」
THE FIRST TAKEでソロで歌わせて頂いて、多くの方に見て頂いたので、MTV Unpluggedでもバラードのアレンジで披露したいなと思っていました。セットリストもここまでカバー曲が続いていたので、ここで日向坂46の曲が入るのも良いなと思いましたね。
「本能」
椎名林檎さんの曲は何か入れたいと思って色んな曲を聞いていたんですけど、どの曲も難しくてどうしようかなと思っていたんです。その中でも「本能」は音階的に歌えそうかなと思ったのと、インパクトのある楽曲なので、こういった曲がセットリストの中盤にあるといいなと思って選曲しました。
「First Love」「花火」
宇多田ヒカルさんの「First Love」とaikoさんの「花火」は、「千鳥の鬼レンチャン」に出演させて頂いた際に脱落した曲と特に反響を頂いた曲ということで、この2曲を続けて歌うことで、知っている方は喜んでくれるかなと思って、あえてセットリストに並べました。『ここの曲順がよかった』とファンの方にも言って頂けることが多くて、うれしかったです。
「恋した魚は空を飛ぶ」
自分が参加していないユニット曲か期別曲か、日向坂46のライブでは歌えない曲を入れたいなと思っていました。その中でも「恋した魚は空を飛ぶ」は良い意味で日向坂46らしくない曲で、初めて聞いた時にすごい曲だなと思っていたんです。この曲のセンターは卒業した渡邉美穂なんですけど、二期生が全員そろってパフォーマンスすることができなかった曲でもあったので、少しでもこの曲をファンの方に伝えられたらなという気持ちと、渡邉美穂の想いも込めて、ソロで歌ってみようと思いました。セットリストを決めたときに『なんでこの曲入ってるの?』ってスタッフさんに言われたんですけど、終わったらみんなに『よかった!』って言ってもらえて、選曲してよかったって思いましたね。
「月と星が踊るMidnight」
日向坂46の公式メッセージアプリで、シングルがリリースされるたびにソロで歌唱して、アカペラ着信として送っているんですけど、この曲はいつかファンの方の前で歌唱することを考えて送っていなかったんです。『この曲のMCから、曲が始まったところで泣きました』とファンの方に言われたんですけど、私もイントロが鳴った時にリリース当時のことを思い出してジーンときていました。私にとって大切な曲はいっぱいあるんですけど、その中でも「月と星が踊るMidnight」は特に大切な曲ですね。
「ラブカ?」
最初に「MTV VMAJ 2021 -THE LIVE-」で「ラブカ?」を歌唱するって言われたときは、『できるわけないです!』って思いながらも練習して、なんとか形にすることができたと思うんです。映像が公開されたら、すごく反響を頂くことができてうれしかったんですけど、その後に「超パーティー2022」というイベントでまた、『「ラブカ?」を歌いませんか?』って話があって、『2回も無理だよ!』ってその時は思っていました(笑)。ただ、2回やったらかなり自信がついて、今となっては十八番と思えるくらいになって、今回のセットリストの中で一番堂々とパフォーマンスできた気がします。
「くちばしにチェリー」
今回のセットリストの中で一番難しい曲でした。「MTV LIVE SESSIONS」よりはパワーアップできたとは思うんですけど、自分の中でずっと100点が出ないままではあって、100点と言えるようになるまで歌い続けたい曲です。あと、「ラブカ?」も「くちばしにチェリー」も最初に披露したときは無観客だったので、ファンの皆さんの前で生バンドで披露できたのもうれしかったですね。
「居心地悪く、大人になった」
曲順を決めるときに、この曲が最後というのは、最初から決めていました。日向坂46での初のソロ曲「孤独な瞬間」で始まって、初のシングルでのセンター曲「月と星が踊るMidnight」で本編が終わり、「居心地悪く、大人になった」が一番最後ということで、感慨深いセットリストになったと思います。今回のバンドアレンジは原曲と違って、しっとりとしたお祭りの後に静けさみたいな感じになっているんですけど、歌い方もいつもと違う感じにできて、今までで一番良い「居心地悪く、大人になった」が歌えたと思います。この曲を歌唱した後、最後にステージで撮った写真がすごくいい顔していて、『この時の私、本当に幸せだったんだろうな』と思いましたね(笑)。今も思い出すと、ずっと余韻に浸ってしまいます。
日向坂46になって初めてのソロ曲で大切な曲です。実は1曲目をどうするか中々決まらなかったんです。最初はカバー曲から始めようと考えていたんですけど、結果としてこの曲を1曲目にして本当に良かったです。初の有観客ソロコンサートをソロ曲で始めるってことで、一番良いセットリストの流れになったんじゃないかなと思っています。
「歩いて帰ろう」
斉藤和義さんの曲としてもちろん知っていたんですけど、高校時代に絢香さんがカバーされているのを聞いて、女性が歌っているバージョンも凄く素敵だなと思ったんです。地声からファルセットに切り替えるのが個人的に好きなんですけど、それが全面的に出せる曲でもあったので、うまくできたらカッコいいだろうなと思って選曲しました。
「ハルノヒ」
あいみょんさんの曲は、ファンの方からも歌ってほしいっていう意見を以前から頂いていて、今回のセットリストに入れたいと思っていました。その中でも「ハルノヒ」は歌っていて特に気持ちいい曲だったんですね。実は去年の「MTV LIVE SESSIONS」の時も候補に挙げていた曲でもあったので、ようやくファンの皆さんの前で披露することができました。
「初恋」
セットリストに男性シンガーの曲、そして80年代の曲がないなと思って考えたときに、「初恋」が素敵だなって思ったんです。曲は以前から知っていたんですけど、歌ったことはなくて、男性の曲なので女性が歌ったらどうなるんだろうと思ったんですけど、Ms.OOJAさんがカバーされているのを聞いて、『絶対に歌いたい!』って思うようになって、セットリストに入れさせて頂きました。
「ひだまりの詩」
この曲は昔から大好きな曲でした。音楽番組で昔のヒット曲の紹介で流れていたことで出会ったんですけど、カラオケでは必ず歌っていました。この曲は同世代の方はそんなに知らないかなと思って、『こんな良い曲があるんだよ』と伝えたい気持ちもあって選曲しました。ラジオで共演している(モデルの)鈴木美羽ちゃんが、『「ひだまりの詩」を聞いて泣きました』って言ってくれて、まさに狙い通りといいますか、すごくうれしかったです。
「僕なんか」
THE FIRST TAKEでソロで歌わせて頂いて、多くの方に見て頂いたので、MTV Unpluggedでもバラードのアレンジで披露したいなと思っていました。セットリストもここまでカバー曲が続いていたので、ここで日向坂46の曲が入るのも良いなと思いましたね。
「本能」
椎名林檎さんの曲は何か入れたいと思って色んな曲を聞いていたんですけど、どの曲も難しくてどうしようかなと思っていたんです。その中でも「本能」は音階的に歌えそうかなと思ったのと、インパクトのある楽曲なので、こういった曲がセットリストの中盤にあるといいなと思って選曲しました。
「First Love」「花火」
宇多田ヒカルさんの「First Love」とaikoさんの「花火」は、「千鳥の鬼レンチャン」に出演させて頂いた際に脱落した曲と特に反響を頂いた曲ということで、この2曲を続けて歌うことで、知っている方は喜んでくれるかなと思って、あえてセットリストに並べました。『ここの曲順がよかった』とファンの方にも言って頂けることが多くて、うれしかったです。
「恋した魚は空を飛ぶ」
自分が参加していないユニット曲か期別曲か、日向坂46のライブでは歌えない曲を入れたいなと思っていました。その中でも「恋した魚は空を飛ぶ」は良い意味で日向坂46らしくない曲で、初めて聞いた時にすごい曲だなと思っていたんです。この曲のセンターは卒業した渡邉美穂なんですけど、二期生が全員そろってパフォーマンスすることができなかった曲でもあったので、少しでもこの曲をファンの方に伝えられたらなという気持ちと、渡邉美穂の想いも込めて、ソロで歌ってみようと思いました。セットリストを決めたときに『なんでこの曲入ってるの?』ってスタッフさんに言われたんですけど、終わったらみんなに『よかった!』って言ってもらえて、選曲してよかったって思いましたね。
「月と星が踊るMidnight」
日向坂46の公式メッセージアプリで、シングルがリリースされるたびにソロで歌唱して、アカペラ着信として送っているんですけど、この曲はいつかファンの方の前で歌唱することを考えて送っていなかったんです。『この曲のMCから、曲が始まったところで泣きました』とファンの方に言われたんですけど、私もイントロが鳴った時にリリース当時のことを思い出してジーンときていました。私にとって大切な曲はいっぱいあるんですけど、その中でも「月と星が踊るMidnight」は特に大切な曲ですね。
「ラブカ?」
最初に「MTV VMAJ 2021 -THE LIVE-」で「ラブカ?」を歌唱するって言われたときは、『できるわけないです!』って思いながらも練習して、なんとか形にすることができたと思うんです。映像が公開されたら、すごく反響を頂くことができてうれしかったんですけど、その後に「超パーティー2022」というイベントでまた、『「ラブカ?」を歌いませんか?』って話があって、『2回も無理だよ!』ってその時は思っていました(笑)。ただ、2回やったらかなり自信がついて、今となっては十八番と思えるくらいになって、今回のセットリストの中で一番堂々とパフォーマンスできた気がします。
「くちばしにチェリー」
今回のセットリストの中で一番難しい曲でした。「MTV LIVE SESSIONS」よりはパワーアップできたとは思うんですけど、自分の中でずっと100点が出ないままではあって、100点と言えるようになるまで歌い続けたい曲です。あと、「ラブカ?」も「くちばしにチェリー」も最初に披露したときは無観客だったので、ファンの皆さんの前で生バンドで披露できたのもうれしかったですね。
「居心地悪く、大人になった」
曲順を決めるときに、この曲が最後というのは、最初から決めていました。日向坂46での初のソロ曲「孤独な瞬間」で始まって、初のシングルでのセンター曲「月と星が踊るMidnight」で本編が終わり、「居心地悪く、大人になった」が一番最後ということで、感慨深いセットリストになったと思います。今回のバンドアレンジは原曲と違って、しっとりとしたお祭りの後に静けさみたいな感じになっているんですけど、歌い方もいつもと違う感じにできて、今までで一番良い「居心地悪く、大人になった」が歌えたと思います。この曲を歌唱した後、最後にステージで撮った写真がすごくいい顔していて、『この時の私、本当に幸せだったんだろうな』と思いましたね(笑)。今も思い出すと、ずっと余韻に浸ってしまいます。
——全曲を振り返って頂きましたが、今回のMTV Unpluggedは齊藤京子さんにとってどういったものになりましたか?
ファンの方と一緒に夢を叶えることができて、本当に良い1日でした。逆に『もうあの日には戻れないんだ』とも思ってしまって、幻だったんじゃないかとも感じますね。MTV Unpluggedも、今までのMTVさんでのステージも、すべてが言葉にできないような素晴らしい思い出となっています。そして、バンドの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。バンドの皆さんに『楽しいです』って言って頂けたのがグッときたんです。どんな言葉よりも、『楽しいです』って言われたのが一番うれしかったですね。
——MTV Unpluggedを終えて、今後の目標はできましたか?
MTV Unpluggedという大きな舞台を経て、自分は歌で頑張っていくと決めました。これで終わりじゃなくて、ここから始まるという気持ちです。ファンの方に対してもMTV Unpluggedが終わって『ありがとうございました!』じゃなく、『また会いましょう!』の気持ちで、これからも歌で皆さんと繋がっていけたらと思っています。あと、MTV Unpluggedが終わった後にピアノを買ったんですよ。リハーサルで交わされる音楽の専門用語が分からないものが多くて、バンドの皆さんに迷惑をかけてしまったのと、1万人もの方が私の歌を聞きに来てくださっている中で、私自身に音楽の知識がないのはどうなのかと思ったんです。まだレッスンを始めたばかりなんですが、ピアノを弾けるようになるという目標を掲げています。MTVさんによって私の人生が本当に変わってきています(笑)。